図面には載っていない「見えないリスク」――実家じまいで見落としがちな落とし穴

台所

ご実家や、長く住み継がれたお住まいをご売却される際。私たち不動産会社は、役所で図面を取り寄せ、現地に足を運び、徹底的に調査を行います。しかし、どれだけプロが目を凝らしても「どうしても外からは見えない、調べきれないこと」が存在するのも事実です。

特に、横浜の古くからの住宅街での売買や、借地権付きの建物のご売却において、私たちが一番神経を使うのが、この「目に見えないリスク」です。

代表的なものが「隣地との境界」と「配管の経路」です。

例えば、家と家の隙間が非常に狭く、さらに草木が鬱蒼と生い茂っていて、足元の境界標(土地の境目)が物理的に目視できないケース。
長年ご近所同士で暗黙の了解として過ごしてこられたとしても、将来お隣が建て替えのために家を解体した途端、見えなかった足元があらわになり、「実は建物の屋根や雨樋が、数センチだけ越境していた」と発覚することがあります。特に、境界を厳密に測量しないことも多い借地の売買などでは、後からこうした問題が火種になることが少なくありません。

また、「水道などの古い配管の経路」も厄介です。
役所の図面ではまっすぐ道路に繋がっているはずなのに、昔のゆるやかなご近所付き合いの中で、実は「お隣の敷地の地下を曲がって通っていた」というケースです。いざ配管を直そうとした時に、他人の土地を掘削するための「同意」が得られず、トラブルになることもあります。

これらは、売主様ご自身すら「今まで何十年も生活していて、まったく知らなかった!」と驚かれることがほとんどです。

では、こうした「見えないリスク」から、売主様と次にお住まいになる買主様を守るためにはどうすれば良いのでしょうか。

最も大切なのは、取引の前の「重要事項説明書」や「契約書」に、『現在は物理的に目視確認ができない』『図面と異なる経路の可能性がある』という事実を包み隠さず記載し、双方が納得した上でご契約いただくことです。

私たち不動産会社が、時に細かすぎるほど契約書の条文を作り込むのは、万が一の時に「言った・言わない」のトラブルを防ぎ、お客様を守るための「お守り(処方箋)」を用意するためです。

「古い実家を売りたいけれど、境界も曖昧で、何が埋まっているか分からない」
もしそんなご不安があれば、どうぞそのままの状態で私たちにご相談ください。不動産の主治医として、見えないリスクを洗い出し、安全に次の世代へバトンタッチするための最善の道筋を、一緒に考えさせていただきます。

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